トヨタ、米国生産車の“逆輸入”検討へ

🚗 トヨタ、米国生産車の“逆輸入”検討へ――貿易赤字是正の一手か？しかし今の日本市場に合うのか疑問も

トヨタ自動車が、米国で生産した車両を日本に逆輸入する方針を米国側へ伝える方向で調整していることが25日、関係者への取材で明らかになりました。
狙いは、米国の対日貿易赤字削減に貢献すること。

この方針は、**トランプ米大統領の来日（27日）**に合わせて伝達される見通しで、
トヨタの豊田章男会長も、日米の企業経営者が参加する会合に出席する予定です。

トヨタの佐藤恒治社長は、22日の経団連会合後に記者団へこう語っています。

「一つのアイデアとして検討は進めている」

つまり、まだ構想段階ではあるものの、
米国工場で生産している大型ピックアップトラックやSUVなどを日本市場に投入することを想定しています。

ただし、実現には日本の自動車規制や安全基準の見直しが必要であり、関係省庁との調整も進める考えです。

しかし、この動きに対しては懸念の声も少なくありません。

アメリカ市場では人気の大型ピックアップトラックやフルサイズSUVは、
日本ではそのままでは“時代に逆行”するような存在になりかねません。

駐車場のサイズや道路幅、ガソリン価格、都市部の交通事情――
どれを取っても日本には大型車を日常的に維持できる環境が整っていないのが現実です。

いくらトヨタのブランド力があっても、
「燃費の悪い大排気量車」を購入するのはほんの一握りのマニア層に限られるでしょう。

日本国内で最も売れているのは軽自動車です。
理由は明白で、
・燃費が良く維持費が安い
・小回りが利く
・税金や保険料が安い
・駐車場に困らない

こうした生活者目線の実利的な選択が、軽自動車人気を支えているのです。

それにもかかわらず、政策や企業戦略の中では
“話題性や外交上の意義”ばかりが優先され、
実際のユーザーの生活感覚からはどんどんズレていっているようにも感じます。

今回のトヨタの逆輸入構想も、
日米関係や経済バランスという“政治的配慮”の意味では理解できます。
しかし、今の日本市場が本当にそれを望んでいるのか？ と問われれば、疑問が残ります。

駐車場問題、燃料費高騰、ガソリン税負担――
国がユーザーの立場に立ち、現実的なカーライフ支援政策を考えない限り、
いくら世界最大級のメーカーであるトヨタであっても、その戦略は“的外れ”になりかねません。

トヨタが検討する“米国車の逆輸入”は、
外交的にも経済的にも大きな意味を持つ一方で、
国内ユーザーにとっては現実味の薄い施策です。

今の日本に必要なのは、
「派手な輸入」よりも、「地に足のついた生活車支援」。

軽自動車がなぜ支持され続けているのか、
そこにこそ、日本の車社会の未来へのヒントがあるのではないでしょうか。

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