パフォーマンスダンパー

■パフォーマンスダンパーとは？

パフォーマンスダンパーは、ボディ剛性とは別に、車体の「しなり」や微振動を減衰するためのダンパー。クルマの構造上、ボディは外部からの力でわずかにたわみますが、これを吸収・緩和することで操縦安定性、乗り心地、上質感を向上させる役割を果たします。

この技術はヤマハ発動機が開発。走行性能向上のためにタワーバーなどを用いた実験の中で、「剛性を上げるだけでは乗り心地が悪化する」という課題に着目。そこで、タワーバーの代わりに減衰性能を持たせた構造を試したところ、高い収束性としなやかな走りを両立できることが判明し、開発が進められました。

■取り付け位置と効果

パフォーマンスダンパーは車体の非可動部に、進行方向と直交する向きで装着されます。前後セットで取り付けることで効果を最大限発揮し、路面からの微細な振動やしなりを抑えることで、より快適で上質な乗り味が得られます。

主な効果：

• 操縦安定性の向上

• 乗り心地の改善

• 静粛性・上質感の向上

■装着車の例と最新事例

初採用は2001年、限定300台の「トヨタ クラウンアスリートVX」。量産車としては2004年にトヨタ カローラスポーツグレード車で世界初採用されました。

最新の例としては、2021年発売の「レクサス NX」。前後にパフォーマンスダンパーを標準装着し、さらに減衰力を自動調整する**AVS（アダプティブ・バリアブル・サスペンション）**を組み合わせることで、よりフラットで快適な走行性能を実現しています。

■まとめ

パフォーマンスダンパーは、見た目や数値では伝わりにくい**「上質な走り」や「安心感」**を向上させるパーツ。クルマの性能はサスペンションだけでなく、ボディ剛性や振動の収まりも大切です。走りの質を高めたい方にとって、有力な装備・チューニングアイテムといえるでしょう