夜間走行、ヘッドライトは“ハイビームが基本”って本当？ 使い分けのポイントとは？

車のヘッドライトには、近くを照らす「ロービーム」と遠くを照らす「ハイビーム」があります。ロービームの照射距離は約40m、ハイビームは約100mとされており、本来は状況に応じて適切に切り替えるのが基本です。

実は、ヘッドライトの基本はハイビーム運用。これは「走行用前照灯」とも呼ばれ、遠くまで照らすことで安全確保につながるからです。一方、**ロービームは「すれ違い用前照灯」**とされ、対向車や歩行者に眩しさを与えないように配慮する際に使います。

道路交通法にも「原則ハイビーム使用」が明記されていますが、現実ではロービームで走る車がほとんど。都市部や交通量の多い場所では、対向車や歩行者が多く、頻繁な切り替えが求められるため、ロービームで走行しても違反になる可能性は低いとされています。

ただし、対向車も歩行者もいない状況でロービームのまま走行し、もし事故が起きた場合は、「ハイビームを使っていれば防げたかもしれない」として責任を問われる可能性も。

また、ハイビームを使い続けると「眩惑（げんわく）」や「蒸発現象」といったリスクもあります。眩惑は対向車の視界を奪い、蒸発現象は中央部が見づらくなる現象。これらによる事故を避けるためにも、状況を見極めた切り替えが重要です。

頻繁な切り替えは現実的に難しいこともあり、都市部ではロービーム中心でも問題ないとの見方もあります。重要なのは、自分本位なライトの使い方ではなく、周囲の状況に合わせた配慮ある運転を心がけることです。

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