日産独自のハイブリッドシステム「e-POWER」の誕生と特徴

日産の独自ハイブリッドシステム「e-POWER(イーパワー)」は、電動化技術の中核として注目されています。1997年のトヨタ「プリウス」誕生以来、各社がハイブリッド車を投入してきましたが、日産は「ティーノ ハイブリッド」を2000年に試験販売しました。しかし、販売台数は伸びず、コストの面でも難航しました。
その後、日産は電気自動車(EV)開発に注力し、2010年に「リーフ」を発売しましたが、ハイブリッド車への需要も高まっていました。そこで、日産は既存の技術を活用し、エンジンを発電専用にチューニングし、EV技術を組み合わせた「e-POWER」を2016年に発表しました。
「e-POWER」はシリーズ式ハイブリッドで、エンジンは発電のみを担当し、駆動は全てモーターが行います。このシンプルな構造により、製造コストを抑え、価格競争力を持つことができました。また、モーター駆動のため、レスポンスの良い加速と静粛性が特徴です。
初採用された「ノート」は大ヒットし、日産の国内販売台数を約30年ぶりにトップへと引き上げました。その後、「セレナ」や「エクストレイル」などにも「e-POWER」が搭載され、現在は第2世代が様々な車種に展開されています。
一方で、高速走行時の燃費低下という課題もあり、日産は可変圧縮比エンジン「VCターボ」を採用するなどして改善に努めています。「e-POWER」はEVまでの「つなぎ」として登場しましたが、今では日産の電動化戦略の中心として重要な位置を占めています