ディーゼル車でスキーに行くときは注意! 軽油の“種類”を知らないとエンジンが動かなくなる?

冬場にスキーやスノーボードを楽しむため、ディーゼル車に軽油を満タン にして出発するのは一見良い準備のように思えます。しかし、「半分くらいにしておいたほうがよかったのに…」と言われることがあります。なぜなのでしょうか?
実は軽油には種類がある!
軽油といえば、ガソリンと同じように全国どこでも同じ品質だと思われがちですが、実は寒冷地向けとそうでないものがある ということをご存じでしょうか?
軽油には、日本産業規格(JIS)によって定められた 「特1号」「1号」「2号」「3号」「特3号」 という分類があります。これらは、気温が低いときに凍結しにくいように調整された軽油 です。
軽油の種類 |
凝固点(目安) |
寒冷地適応 |
特1号 |
-2℃以下 |
温暖地域向け |
1号 |
-7℃以下 |
一般的な軽油 |
2号 |
-11℃以下 |
関東・東海などの寒冷地向け |
3号 |
-20℃以下 |
東北・北陸の寒冷地向け |
特3号 |
-30℃以下 |
北海道など極寒地域向け |
冬季に寒冷地へ行く場合、寒さで非寒冷地向けの軽油がシャーベット状 になり、流動性を失ってしまうことがあります。これが「ゲル化」と呼ばれる現象で、燃料フィルターやインジェクターが詰まり、最悪の場合エンジンが動かなくなってしまうのです。
「半分くらいにしておけばよかった」の理由
では、なぜ軽油を満タンにしないほうが良いと言われるのでしょうか?
理由は、寒冷地で販売される低温対応の軽油を現地で補給できるようにするため です。
たとえば、関東で給油した軽油(JIS1号または2号)を満タンにしたまま、東北や北海道のスキー場に行くと、現地の寒さに対応できない可能性があります。もし軽油タンクの中身が「関東仕様」のままだと、ゲル化してエンジントラブルを引き起こすリスクがあるのです。
そのため、スキーやスノーボードに行く予定がある場合は、現地のガソリンスタンドで「寒冷地仕様」の軽油を給油するために、タンクを半分ほど空けておく のが賢い選択となります。
スキー場に向かう前にチェックすべきポイント
✅ 軽油の給油タイミングを調整
- 出発前に満タンにせず、現地のガソリンスタンドで寒冷地向けの軽油を補充 できるようにする。
- 特にスキー場や山間部のスタンドでは、冬季は「3号」や「特3号」などの寒冷地仕様の軽油を提供している ので、そこで給油すると安心。
✅ 軽油の種類を確認
- 給油する際に 「寒冷地仕様の軽油ですか?」 と店員に確認する。
- 「寒冷地仕様の軽油を入れてください」と伝えることで、適切な燃料を入れることができる。
✅ 燃料添加剤の活用
- 寒冷地用のディーゼル添加剤 を使用すると、低温流動性が向上し、ゲル化のリスクを軽減できる。
- ガソリンスタンドやカー用品店で販売されているので、事前に準備しておくと安心。
✅ 燃料フィルターの管理
- 軽油が凍結してしまうと、燃料フィルターが詰まることがあるため、冬前にフィルターを点検・交換しておくとより安心。
まとめ:スキーに行く前に「軽油の種類」を意識しよう!
ディーゼル車でスキー場へ行くときに「軽油を満タンにしないほうがいい」と言われるのは、寒冷地仕様の軽油を現地で給油できるようにするため です。
- 軽油には「寒冷地仕様」と「非寒冷地仕様」がある ため、寒冷地に行く前にタンクを満タンにしすぎないようにする。
- 現地のガソリンスタンドで「寒冷地仕様」の軽油を入れることで、ゲル化を防ぎエンジントラブルを回避できる。
- 燃料添加剤の活用や、燃料フィルターの管理も重要。
寒い地域では、非寒冷地仕様の軽油を使うとエンジンがかからなくなる可能性 もあるため、事前の準備をしっかりして、安心してウインタースポーツを楽しみましょう!