追い越されそうになると加速する「抜かれたくない病」― 危険で迷惑な運転に要注意

高速道路を走行中、前方に遅い車がいる場合、多くのドライバーは安全を確認したうえで追い越し車線に出て追い越しを試みます。しかし中には、自車が追い越されそうになると急に加速して追い越しを妨害するドライバーがいます。このような運転は俗に「抜かれたくない病」と呼ばれ、非常に迷惑かつ危険とされています。

この傾向は、自分より小さな車や軽自動車、価格帯の安い車に追い越されることを「プライドが傷つく」「負けた気がする」と感じるドライバーに多く見られます。結果、追い越しを試みた車は速度をさらに上げざるを得なくなり、速度違反のリスクや追い越しを諦めざるを得ない状況に陥ることも。

さらに悪いことに、追い越しを諦めた車が走行車線に戻った後に、再び速度を落とすというケースも多く、スムーズな流れを妨げるばかりか、渋滞や事故の要因にもなり得ます。

このような運転に対して「違反ではない」という認識を持つドライバーもいますが、道路交通法第27条では「追いつかれた車両は追い越しが終わるまで速度を上げてはならない」と定められており、法令違反に該当する可能性があります。

また、追い越そうとする側のドライバーも、無理に追い越そうとしたり、張り合って煽るような行動を取ると、思わぬトラブルや危険な状況に発展する可能性があります。「抜かれたくない病」のドライバーは、自分が正しいと信じ込んで過剰な行動に出るケースもあり、最悪の場合は高速道路上で停車を強要するなどの重大な交通トラブルに発展する恐れも。

もし追い越し中にこのような運転に遭遇したら、無理をせず追い越しを諦め、距離を取って刺激しないようにすることが最善の策です。安全な運転こそが最も大切なこと。高速道路では特に冷静な判断と落ち着いた対応が求められます。

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