ガソリン税「暫定税率」廃止へ動き加速──立民が法案提出、財源論争と与野党の駆け引き続く

ガソリン価格の高騰が続く中、立憲民主党は2025年7月からガソリン税の暫定税率を廃止する法案を衆議院に単独提出しました。

この法案は、物価高で苦しむ国民生活の負担軽減を目的とし、ガソリン税の中でも特に上乗せされている「暫定税率（約25.1円／L）」を廃止する内容。地方自治体の財政に影響が出ないように、政府が減収分（年間約7600億円）を補填する措置も盛り込まれています。

立憲民主党は、日本維新の会と国民民主党に共同提出を呼びかけましたが、両党は与党との協議を優先したため、今回は単独提出となりました。

一方、国民民主党は、自民・公明との幹事長合意に基づき「6月から来年3月までのガソリン価格引き下げ対策を検討」としており、11日の3党政策会談でも暫定税率の廃止を強く主張しました。しかし、与党側は「補助金を含めた手法で議論を重ねたい」とし、引き続き協議する姿勢を示しました。

【意見】「トリガー条項」早期発動こそ最善策

ガソリン価格を本当に下げたいのであれば、一刻も早く「トリガー条項」を解除すべきです。
※トリガー条項＝一定価格を超えたら課税を停止する制度（東日本大震災以降、凍結中）。

政府は「財源がない」と繰り返していますが、そもそも暫定税率は「一時的な財源確保」のために設けられたもの。それが20年以上にわたり恒久的に徴収されてきた現状は、制度の趣旨と大きく乖離しています。

長年、国民が支払い続けてきた税金で成り立っていた制度が、なぜ財政赤字を理由に維持され続けるのか。
これはもはや国民のための制度ではなく、政府の都合によって動かされる“予算の財布”と化しているのではないでしょうか。

一度、制度全体を解体・見直しし、ガソリン税や燃料課税の本来のあり方を再構築するべきです。

「負担軽減」や「災害時の備え」など、建前ばかりでなく、国民にとって本当に必要な支援が何なのか。政治には、今こそ真剣な答えが求められています。

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