もう現金払いはできなくなる!?

🚗もう現金払いはできなくなる!?

全国で進む「高速道路ETC専用化」——なぜ急ピッチ？残された課題とは

いま、高速道路料金所の「現金払い」が全国で急速に姿を消しつつあります。
背景にあるのは、国土交通省と高速道路6社（NEXCO東・中・西日本、首都高、阪神高速、本四高速） が2020年に策定した「ETC専用化ロードマップ」。

この計画は、

• 渋滞緩和

• 料金所運営コストの削減

• 利用者の利便性向上

• 感染症リスクの低減
  を目的としており、2030年頃までに全国の料金所を原則ETC専用化 する方針が打ち出されています。

📅 都市部は5年・地方は10年で“完全ETC化”へ

ロードマップによると、都市部ではおおむね5年、地方部では10年を目標に現金対応ゲートを段階的に廃止。
すでに首都高速やNEXCO各社ではETC専用レーンの割合が大幅に増加し、一部では現金ゲートを完全撤去した料金所も登場しています。

将来的には、すべての高速道路でETCなしでは通行できない 仕組みになる見通しです。

💳 現金利用者に対応する“過渡期の仕組み”

現金廃止といっても、すぐに全員がETCを持てるわけではありません。
そのため、一部料金所では以下のような暫定的な仕組みも導入されます。

• ETC専用レーン＋料金精算機の併用：車載器未搭載車も一時的に現金精算が可能

• 誤進入・未搭載車の後日請求制度：免許証やナンバー情報を記録し、後日支払いを求める方式

この方法により、料金所での滞留時間を減らしつつ、現金利用者にも一定の配慮を行う方針です。

🏧 ETC導入支援も拡大

国交省と高速道路各社は、ETCをまだ使っていない層への導入支援策も強化しています。

• ETCパーソナルカードの保証金（デポジット）を2万円→3,000円に引き下げ

• クレジットカードを持たない人でも利用できる制度を整備

• 車載器購入への助成制度を拡充

こうした取り組みで、これまでETC導入が進まなかった高齢者やライトユーザーにも門戸を広げる考えです。

⚠️ 一方で残る課題

現金ゲートの廃止には、課題も少なくありません。

• 高齢者など「現金払いしか使ったことがない層」への負担

• 車載器設置や利用手続きにかかる費用負担

• 非ETC車が地方で依然多いことによる利便性低下

• 現金利用ができなくなることで地域交通への影響

特に地方部では、生活の足としてマイカーを利用する高齢者が多く、
「ETCの導入費が重い」「操作が不安」といった声も上がっています。

🚧 スマートICの拡大と新しい道路ネットワーク

現金ゲート廃止と並行して整備が進むのが スマートインターチェンジ（スマートIC）。
ETC専用の簡易型インターチェンジで、設置コストが低く、地域の交通利便性を高める効果があります。
現在、全国で161か所 が開通しており、地方の活性化にもつながっています。

🚦 まとめ

• 高速道路の「ETC専用化」は国の方針で全国的に進行中

• 都市部は約5年、地方部は約10年で現金ゲート廃止予定

• 導入支援（デポジット引き下げ・助成制度）も拡大

• 高齢者・非ETC利用者への移行サポートが今後の課題

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